ボルカールールは商品市場の悪徳規制だ

投機マネーから庶民を守るために作られた「ボルカールール」。この法律が市場を混乱させた。

規制がかえって混乱をもたらす矛盾

しかるに大手投資銀行が自己勘定部門を縮小し、果たしてきたショックアブソーバー(衝撃吸収装置)の役割がなくなると、大口顧客売買が場に出るたびに大きな価格変動が生じることになる。5月11日のマーケットの値動きを見ても、実態は継続的な売買の進行というより、時折唐突に乱高下するかと思えば、その後しばらく凪ぎのような地合いが続いていた。顧客売買は瞬間的に膨らむのだが、それを受け止める市場流動性に欠けるために値が飛び、いわばスポンジのようにスカスカ状態の値動きになる。

 

つまり、「投機マネーによる原油、穀物の価格急変動か庶民生活を圧迫するので規制する」という趣旨でつくられたボルカールール、ドットフランク法の存在によって、かえって、価格変動が激しくなるという皮肉な結果を招いている。その影響は既に出ている。最大級のコモディティーヘッジファンド、クライブーキャピタル(運用資産推定50億ドル)が7 原油価格の説明かつかない異常な価格変動」のため4億ドルの損失を出したことを顧客宛てのレターで認めた。

 

機関投資家の運用の世界ではコモディティーセクターヘの分散運用が拡大しているが、特に短期さや取りを狙う「戦術的=tactical」なアロケーションは今後、相当慎重にならざるを得ないであろう。

 

一方で「戦略的=strategiな中長期運用に関しては、短期のボラティリティーの有無にかかわらず粛々と運用計画どおりに進行してゆくと見られる。商品相場に混乱をもたらすとすれば中国の人民元であろう。

日経平均は10000円処で膠着感の強い相場展開が続きそうだ。米債務上限問題に対する懸念からドルが売られる地合いが続いており、為替市場での円高が上値を抑える要因となる。一方、介入警戒感から円高が加速するとも考えづらく、下を売り込む展開にも向かわないだろう。結局のところは、米債務上限引き上げ協議の進展を見守る、様子見ムードが強まりやすい。為替相場ではこれをうけドル売りが進行。ドル売りが急激なためクロス円を買い持ちしているFX投資家のポジションのロスカットが大量に出ている模様。